希少を優先する理由は、貧しさからだ

いつだったか。もうかなり昔の事だ。
多くの本を売り払った事があった。そのときに手元に残してあったのは、二度と出版される事がないであろう希少本だ。傑作と呼ばれる本は、わりとすぐに手に入る。とくに漫画なんかはそうだ。だから今、この瞬間、手元になくても、読みたくなったらすぐに読める。そう思って売り払った。
ところがこの希少本というものは、本来の目的から少しずれたものであるということを後日気づく。というのも、希少だということは人気がないわけで、それもたいして面白いものではない、ということだ。希少だ、というだけしか価値がない。そんな本ばかりが手元に残ってしまった。
いつだったか、アイスクリームを食べまくることに決めた時期があった。毎日コンビニでアイスクリームを買ってきて片っ端から食べる。するとだんだんいつも出回っているもの、良く見かける人気のものは食べなくなり、今日食べないとなくなってしまう大しておいしくないゲテモノばかり食べるハメになる。
希少というのを優先してはいけない。
オタクだからだろうか。みんなが既に見ていて、絶賛されているものというのは、いつでも手に取ることができるから後回しでもいいだろう、と思って、いまだにまどマギも見ていない。
Kindle寄生獣を読んで、ひさしぶりに思い出した。
もう何年も前に所有していて、結局場所の問題で売り払ったが、やはり面白い。