精神的な装飾

「正直に考えろ」と自戒することが多い。精神的な装飾に埋もれて本質を忘れてしまうからだ。愛だの正義だの友愛だのと多くの人が好む言葉は、美しく着飾れる。が、本質ではない。邪悪さ、醜さも、実際には装飾だ。それが人間の本質だととらえる人もいるようだが、それは違う。
正直さは、装飾のない状態だ。
太陽の光が強すぎて、空を見上げても星は見えない。光という装飾に支配されているからだ。天文学者は、空気の層があるためにきれいな星空が見えないと言う。装飾を取り払うことはとても難しい。装飾を取り払い、正直に物を見ることはとても難しい。
装飾は、他人を説得するときに使いやすい道具だ。「xxだから○○したほうがよい」と理由付けが簡単になる。だが、正直さには理由がない。「理由はないが○○したい」これが正直さだ。他人の理解は得づらい。信じるという行為に、何の根拠もない。
正直さは、自分のためだけに存在している。理由は後付けのガイドラインだ。