スナフキンの逆版 −頭の中を外部に置く−

なあ、ムーミンって知ってるか? ムーミン。カバと間違われるみたいだが、あいつはトロール、妖精の一種らしいぜ。そんなムーミンの話にでてくるスナフキンって男がいる。彼は物を持たない、ものに執着しないという生き方をしているんだ。
「物を持つと重たくなる、頭の中にあれば重たくならない、僕はものに執着しないんだ」
彼はそんな生き方をした。だから持っているものはほとんどない旅人になれた。
ところが僕はそう考えなかった。もしその発想が正しかったら、グーグルのサービスセンターはあんなに巨大にはならなかっただろう。「情報には重さがある」僕はそう考えた。だからその考え方を進めて「頭の中にあるものを重さ(情報)に変えてしまう」という方法をとった。
その一つがブログだ。
頭の中にある情報をブログに保存しておく。もちろん完全な形では保存できない。アイデアや悟りというものはそのままでは保存できず、テキストという形式に置き換えて保存するしか無い。だからテキスト形式に変換して保存されている。
僕の頭の中には、どんどんそういった重さが消え、空白には別のアイデアを入れることができるようになった。それが必ずしも幸福だとか、すばらしいことだとは言えない。そういう手法もある、というだけだ。やがてスナフキンは頭の中が思い出でいっぱいになるだろう。それは幸福なことかもしれない。だけど外部保存できるならそっちに保存して、頭の中は別のことに使うことだってできるはずだ。
物理的なモノに捕らわれない、という発想は重要だが、物理的なモノを軽視するのは違う。便利に使うことにしよう。