ipadという窓

イメージの話だけど。カメラを撮るとき、撮影される映像がレンズを通してディスプレイに見える。ipadのディスプレイには、そうやって2次元が見えている。窓越しにしか、見ることができない世界を見ている。
僕はそこから手を突っ込んで、欲しい本を手に取る。本は何千冊あっても、その窓越しにとることしかできない。ここで問題になるのは、本を手に取るまでの手順が重たいとか遅いということだ。紙の本がベッドの脇にでも転がっていたら、ひょいと手を伸ばしてとり、好きなページから読むことができる。しかしipadは、窓を使うとそれができない。ipadの窓を使う利点は、大量に本を有していることしかない。探すのだって結局のところ、人間の目で探さねばならない。
置き場所ではなく、アクティブ性という面で、いつか紙の本に勝てる日がくるだろうか? そのとき、デジタルの本はどういう形状になっているだろう? 本当にipadみたいな形状だろうか?