カラオケのような形状

ニコニコ生放送というものがある。
個人が動画をストリーミング配信して、視聴者がその動画にコメントすることができる。そこで自分の子どもの出産を中継している人がいた。それを叩いたり、見世物にするなと言うコメントがあったし、生命はすごいねとか、おめでとうとかのコメントもあった。
しかし僕は違うことを考えていた。
たとえばカラオケだ。
発表したい人間がいて、聞いている人間がいる。しかし聞いている人間が、歌を聞いているのかと言えばそうではなく、自分の歌いたい歌を探している。やがて誰も他人が歌う素人の歌なんて聞かなくなる。カラオケは一人で行くところになるだろう。
これは結婚式の動画を他人に見せるときもそうだ。結婚式をしている本人は楽しいだろうが、見ている方は別に面白いわけじゃない。
ニコ動で歌を歌う人間がいる。聞いている人間がいる。youtubeで子どもの七五三祝いをアップロードした親がいる。見ているヤツはいるだろうか? 親戚以外で誰が楽しめるだろうか? ニコ生で出産を生中継している親がいる。誰が見るだろう? これもまた親戚だろうか?
すべてがエンターテイメント化していくとして、誰がお前の子どもを面白いと思うだろうか? 少なくとも関連性のない第三者は「だからナニ」ってなるんじゃないのか。今はコンテンツが少ないから、特殊に見えるだけで。もてはやされるだけで。まるでカラオケのように、誰も見向きはしなくなっていくだろう。