不健康の理由付け

涼しくなってきたというのにむずむず脚症候群がまったく改善されない。去年は平気だったのに、などと思うが、不健康とはそもそもそういうものなのだろう。不健康は外部から来るものではなく、人間の内部から発せられるものだ。人間は土塊から作られた、というキリスト教の話を思い出す。
医者が他人を健康にするわけじゃあない。健康になるのはいつだって本人の肉体の能力だ。医者はそれを手助けしているだけだ。
むずむず脚症候群は薬を飲めばわりと効くんだし、痛いとかじゃないんだからマシだろ、って心のなかのあいつが言うけど、あいつはきれいごとばっかり言っててまったく信用ならない。
みんな、いろんな不具合を抱えて生きている。いままでうまく動いていたものだって、やがて老化で動かなくなっていく。不健康を受け入れるなんてことが僕の狭い心でできるのだろうか。
広い心は、いつだって維持できるわけじゃあない。金があるとか健康であるとか仕事が順調だとか、そんな何かが欠けただけで、わりとすぐに失われてしまう。富のようなものだ。