「ひかりあれ」という支配

神が最初に言った「ひかりあれ」ってのは、光の支配だ。
光が当たるところは見えている。だが当たらないところは見えていない。自分が見えていることはわかるが、何が見えていないのかはわからない。問題なのは、見えていないところがどれぐらいあるのか。どうなっているのか。光のせいで見えなくなってしまう。想像力なんてものに頼らなきゃいけない。
また、光があるから物が見える。逆に光があるせいで見えなくなっているものもある。太陽光の下にいると、月や星の光は見えなくなってしまう。光があるせいで見えなくなってしまう。見えなくなっている部分はどれぐらいあるのか。どうなっているのか。想像力なんてものに頼らなきゃいけない。
それを補う「想像力」という便利な単語を使っているが、実際、想像力なんてものが存在するのだろうか? 自分には想像力が足らないのだ、という認識をするためには、どうしたらいいだろう? 自分は何が見えていて、何が見えていないのかを知るためには、どうしたらいいだろう?
ひかりあれ。そうやって支配している。それに支配されている。