1ヶ月

何万人もが死んだし、今も行方不明だというのに、僕は普通の生活をしている。計画停電もあったが今はない。買占めがあったようだが今はない。原発はあいかわらずゴタゴタしているようだが、海外で起こったテロよりも多少興味があるぐらいの扱いで、まるでテレビの中の他人事のように流れている。美容院に行くと、自分が被災したときこんなだった、という話を楽しそうにしていた。まるでイベントだ。
インターネットのおかげで目の届く範囲が広がった、なんて思い込んでいる人がいるようだが、そんなことある? テレビ越しに見ている対岸の火事となんか違うのか? 被災者は今も大変な思いをしているんだぞ、なんていわれても「自分は被災していない」と答えるんじゃあないだろうか。
それに良い悪いがあるんだろうか。
そんなもんなんじゃあないのかな。日々の忙しさに流されていく。目の前の忙しさで手一杯の動物みたいに。