じゃんけん小僧

「ねえ、じゃんけんしようよぉ〜。じゃんけん〜。それで決めるんだ、いいだろぉ〜」
「…いいだろう…勝負だ。じゃん」
「けん」
「「ぽん」」
「やったボクの勝ちだね!」
「…キミのソレはなんだ?」
「ドリルだよ! ドリル!」
「ドリルぅ?」
「そうだよ、グーよりチョキよりパーより強いんだ。どれにも負けない」
「…すまない、僕の知っているじゃんけんとルールが違うようだ。今のは無効試合だ」
「えー、なんで知らないんだよぉ〜」
「質問なんだが、そのドリル、僕が出すとアイコなのか?」
「アイコだよぉ。ほらいくよぅ」
「ふーん。いいけど、キミ、本気で言ってるんだよな?」
「当たり前だろ! ほら、勝負だ。じゃん、けん」
「まずは耳だ」
「ギャアアアアッ!」
「次は爪、鼻、歯だ」
「うがああああああっ! げほ、ごほごほ、な、なにを、痛っ、うぐぐ」
「なにを? じゃんけんだろ? じゃんけんするんだよな。構えろよ。お前はグーをだすよな? そうだろ? ほら目だ、指、鎖骨」
「ぎゃあああああっ!」
「叫んでないで、構えろよ、じゃんけんの構えだ。キミ、なんだその構え、まさかドリルを出す気じゃなあいよな? ん? グーだろ? グーを出すよな? ほら、喉、手の甲、足の指」
「いぎぎいいいああああっ! 痛い痛い痛い痛い痛い痛い許して助け…」
「おいおい、人聞きの悪いことを言うんじゃあないよ。じゃんけんの勝負だろうがぁ。キミはグーを出すんだよなぁ。はやく用意したほうがいいぞぅ。僕はドリルを出すんだからなぁ。拷問できる場所はまだまだ残ってるぞ、次はどこがいいんだ? 手の指は全部で10本、肋骨は左右で12本あるぞ、はやく構えろよ、あとだしは負けだからな! そんなに土俵の外側で勝ちたいとは思わなかったよ、仕方がないな、ほら、瞼! 唇! 歯茎! 拷問できない場所があるとでも思ったのか? じゃんけんを構えろ!」

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リンゴォ、メローネ、ヨハンといった●●●と出会ってしまった! コマンド?
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