人並みって、なんだろう?

「普通」とかもそうだけど。「人並み」ってものを想像したときに、なんかパーフェクト超人みたいになってないか?
多くの人から「人並み」みたいなものの話を聞くと、どうも違和感があった。たしかに突出してプラスではないのだけれど、突出したマイナスもない。平凡な、という状態のことを指している。のだが…そんなヤツを見たことがない。
たいていの場合「人並み」という話になると、少なくとも僕は人並みではないのだな、という認識しかできなかった。そして彼らの言うところの人並みとはなんだろう? 僕は人並みになるのだろうか? と考えていた。
そこで思いついたのは「人並みとは、発言者の持ち合わせているマイナスがない状態である」だ。
だから多くの人を集めると、パーフェクトな「人並み」が出来上がってしまう。人並みという単語を使いたがる人、常識という単語を使いたがる人がいる。そこで振りかざされた「普通」や「常識」や「人並み」とは、その発言者が信じているプラスの状態である。まったくばらばらな、個人が持っているマイナス。たとえば背が低いだとか、太っているとか、年収が少ないとか、結婚しているだとか、習い事をしているだとか、さまざまな。個人が個人から見た個人的なマイナスだ。
だから「自分は人並みになった」というのは、「その側面のマイナスを克服した」という状態、もしくは幻想だろう。他人が「人並みになった」というのも同様だ。
もちろん、そういうものが存在すると信じるのは自由だ。