死ぬには惜しい

ランニングハイになったことがある人ならわかると思うが。顎が上がり、呼吸は苦しい、肺は焼けるようだ、脚は痛い、体は重い、止まりたい、と思いながらも、もっと走っていたい、もうちょっと走っていたい、というあの感覚。
現世は苦しいが、もうちょっと修行していたい。
走っている最中に、思ったことがあるだろう? もうちょっと走っていたい。いたくてつらくて止まりたいのに。もっと走っていたいというあの感覚。
人生でそれが見えるときがある。
まったくつらいことばかりが見えているというのに。ちょっと惜しいんだ。