まるで消しゴムのように崩れていく自分

本を捨てようと、押入れの中に積み上げられた山に手を出した。自分が金を払って集めた本で、どれもすばらしいものだった。買った本でもたいしたことのないヤツは、とっくの昔に売り払われていて、そうじゃなく大切にとって置かれているものを、売り払おうという魂胆だ。
別に金がないわけじゃあなく、場所がない、という問題なんだけど。どこまで売ったらいいのか、よくわからない。読み返してみたが、どれだってすばらしいものだった。手元に置いておきたい本だ。
でも実際、手元に置いてあったって、押入れの奥に仕舞われてしまい。読み返すのはこんなことでもない限りない。じゃあ手放してしまおう。と思ったわけだ。
押入れから出てきた本を読みふけり、今に至る。ああ、10時間以上ぶっ通しで漫画を読んでいた。食事もしていないし、お茶を最低限飲んだ程度。目は疲れて、頭痛がひどい。それなのにまだ読み直していない本は山積みになっている。
まるで消しゴムみたいに、健康体が崩れていく。そもそも僕はそんなに頑丈な人間じゃあない。仕事や労働で、不調を感じたらすぐに休むだろう。でも、遊びは逆だ。どんどん壊してしまう。健康を。肉体を。喜んで捧げてしまう。
それは幸福なことかもしれないが。浪費癖と同じだと思うよ。