聖人の素質

ときどき、存在するだけでプラスの影響がある人間、というものがいる。
わかりやすい例だと、長嶋茂雄だ。野球のあの人。あの人、本当に監督として優れているのか、よくわからない。采配だってムチャクチャだろ、って思うことが多い。言動がそもそもムチャクチャだ。
でも、実際、彼がいることで、安心してプレイできたり、彼の前で情けない姿を見せるわけには行かないと、普段できないような集中力を見せたりするのかもしれない。まあ、僕が野球をやるわけじゃあないので、想像ですが。
で、そんなふうに、存在するだけでプラスになる人間、というものがいるだろう、と予想している。キリストなんかもそうだ。存在してないじゃん、と思う人もいるかもしれないが。僕の考えでは存在している。誰かの心の中に存在していて、その人を良い方向へと行動させる人間だ。そういう意味では、恩師もそうだし、友人もそうだろう。規模が小さいだけだ。キリストは規模が大きい。そして死んでいるために、そいつに失望することが少ない点が便利な点かな。
まあ、そんな風に、存在することで、誰かの助けになったり、誰かの救いになったりする存在があるはずだ、それが聖人の素質だ、と考えている。
もうちょっと煮詰める必要がありそうだけど、そんなふうに、いてくれたらプラスに働く存在というものがいるはずだ。
存在することで安心できる、という保険みたいな機構もまた、聖人の素質を利用した商売だ。結果、問題が起きなくて保険料を払うだけになったとしても、それは安心の料金だろって、保険の話になってしまった。