ゾッとする話

ある男が、レンタカーでトラックを借り、歩行者天国に突っ込み、行き交う人たちをひき殺した。轢かれた被害者を手当てしている人を、男は刃物で背後から刺し殺した。犯人は十数人を殺傷。その場で逮捕された。
現実に起きた事件の話だ。
この男の気持ちがさっぱりわからない、という人がいて。狂っているとか、現代社会の闇だとか、こんな人間がレンタカーを借りられるのがおかしいとか、歩行者天国は安全性に問題があるとか、まあいくつもの理由付けをしている人がいて。なんとか防衛しようとしている人がいて。なんとか次善策を捻り出して。そういう「害」を排除しようとする動きは、正しい人間社会のシステムだと思う。
でも、その理由、本当なのかな。
「あなたは、そいつの気持ち、理解できない、って言ったけど、それホント?」という最初の問いに戻る。