奇跡の有様

ある宗教の教祖が奇跡を起こして見せた。
多くの人は、それを見て、彼を信仰した。
奇跡ってなんだろう? と僕は考えた。
奇跡は、人の耳を傾けさせるのに有効な手段なのだ。それは力だ。恐怖と言いかえてもいい。奇跡は、マイナスの要因を持たせない点が、恐怖と違うところだ。だがそれだけで、本質は同じだ。そういう圧倒的な『力』だ。そういうものを見て、人間はその奇跡(恐怖)に、注意を払う。
本来ならば、人は人の言葉に耳を傾け、よく聞き、よく考え、よく見ればよいだけなのに。