銀シャリのおにぎり

子供の頃、ばあちゃんが握ってくれたおにぎりには具が入ってなかった。遠足で、友人とおにぎりを交換したときに、友人のには鮭が入っていて、ふと顔をあげると「お前の、具が入ってない」という目で見られた。
今、思うと、うちの米、自分の家の精米機で精米してるような金持ち仕様だったんだけど、当時はそんなことは思わないわけで。
おにぎりに具を入れてくれ、と言うと、だいたいオカカとかウメボシだったので、僕はそれならないほうがいい、と思っていた。当時、オカカもウメボシも食べられなかったのだ。
今、思うと、梅はおばあちゃんが自分の家で漬けていたヤツだし、オカカは鰹節削り器があって、でかい塊の鰹節がある家だった。でも当時はそんなことは思わないわけで。
子供が望んでるもの、って、大人が望んでいるものと、だいぶ離れているんだろうなぁ。