あらわす単語がない現象

ちょっと前から気になっていたんだけど、なぜそれが問題なのかがわかった。その現象には「単語」がないのだ。単語が必要なのに、誰もソレを単語として、定義していない。
その現象とは「ちょっとした」面倒くさい感じのことである。本当に些細な、その程度、というものなのだ。
たとえば具体的な例をあげると、仕事をしていると、ときどき突然順番を割り込んでくるヤツがいる。「これ簡単なんだからすぐやってよ」というヤツだ。僕は他にもいろいろ仕事を抱えているが、それは長期スパンな仕事で、たしかにそいつが割り込む余裕がない、わけではない。こいつ。この簡単で、すぐできるヤツは、たしかに作業すれば時間もすぐなのだけれど、面倒だ。
「辞書を箱から出しておけ」というネタがある。これは辞書を引くようになる第一歩だ。箱から出す、というたかがそれだけだが、それが意外と効果的で、実際、箱に入っている辞書はひかなくなる。
この「ちょっとした面倒さ」だが、なんらかの抵抗が大きいものをあらわす単語がない。なんかその程度、という軽い扱いを受けてしまうのは、単語がないからではないか。
例えば、かっこいい名前で「カルマトロン係数」とかどうだろう。それが高いと、ちょっとした小さい面倒なのに、やる気がでないヤツ。それが低いと、面倒っつったってその程度だろ、とやる気になるヤツ。
辞書をひくたびに辞書を箱から出すのは、カルマトロン係数が高いため、抵抗が強くなり、やがて辞書をひかなくなってしまう。