母の日に花を

母の日間近に、実家へ花とケーキを持って行った。以前、趣味でケーキを焼いている話をしていたら「じゃあ今度はケーキを焼いてきて」といわれていたので、ちょうどいいから持って行った。極普通のありがちなパウンドケーキである。
実家に帰る途中によった花屋は、カーネーションを売る気マンマンで、山積みになっていた。1本だけ、小さなものを選んで買った。たぶん、花なら他の人間から大量に貰うだろうし。僕はわりとそういうメインを外したプレゼントをすることが多い。他がやるから別に自分がやらなくてもいいだろ、と思うのだ。
実家に帰って近況の話をした。まあ健康そうでなによりである。ケーキは喜んでもらえたようだ。お店で売ってるみたい!と連呼していて「じゃあ店で買えばいいんじゃないの?」というアゲアシトリを思いついたが、さすがに言わなかった。いつか店で売っているのではないもの、が僕は作れるだろうか。これは、絵でも写真でも盆栽でも文章でも同様だ。僕にしか作れないものが、いつか作れるのだろうか。僕が作ったことに意味がある、という視点がある。僕が作ったケーキだから、母親は喜んで食べてくれたわけだ。話を戻そう。
僕は、両親とちょっと話して、帰ってきた。
「母の日の花をネットで注文したのに、母の日に届かない」とか「花がしおれている、またはまだ蕾ばかりだ」とかそういう毎年恒例のネタを見ながら、「欲しかったのは花なんだろうか?」と考えた。