これがお米の本気なんだよ

なんか最近の高級炊飯ジャーはすごいらしい。高い釜で炊いた米がうまいそうだ。これがお米の本気なんだよ。いろんな機能がついてて、実際どれがいいのよ、という話になるんだけど、まあだいたいにおいて、ああいうものは値段なりだということだ。
で、そのウマイのが、お米の本気だ。お米が持っている本来の性能を発揮した姿だ。お米そのものに才能があっても、それが開花せず、安いジャーで炊かれてたいして美味くもない、と食べられてしまうやつがいる。同じように、スーパーで売っている食材で、おいしく調理してもらえる食材と、そうではない食材がある。
僕は賞味期限が切れてしまった食材に対して、そんなことを思うのだ。
本来の性能が発揮されなかった。本当はもっとおいしくなれたはずなのに。望まれた人間のところへいけたなら、もっと開花し、優れた結果を残したかもしれないのに。才能あるものが消えていくのだ。僕のせいで。しかし、そういう罪も含めて食材だ。そいつが僕を選んだのだ。できればより良くあればよいが。すべてを発揮できるほどの才能は、僕のほうにない。高級な炊飯ジャーではないのだから、できることしかできないのだ。
本当の能力は、隠されたまま。本当の力は、見えないまま。