健常者と障害者の意識

障害者がいた。懸命に階段を登っている。苦労しているように見えた。健常者が手を差し伸べた。障害者は舌打ちしながら言った。「お前らは、そうやって僕らに手を差し伸べて、いい気分になるんだろうよ」健常者が、眉をひそめて言う。「助けてやろうとしてんのに」
マイナスとマイナスだ。
きっとどちらも良くはならないだろう。そういう思いで助けているうちはそうだし、そういう思いで助けられているうちはそうだ。哀しいことだ。より良い世界を考えている。
助けてもらって当たり前、という意識は傲慢だ。手を差し伸べる優越感は傲慢だ。電車で席を譲るときでさえ、そういうことを感じる。どうしたらいいのか。敬意を払って、謙虚に振舞え。傲慢さが、世界を悪くしている。僕は自分の世界を良くしたい。