どきどきが値上がりしています

子供の頃、中学生だったかな。小遣いをかけて、ポーカーをしていた。だいたいはその日に買い食いする、お菓子とかジュース代ぐらいで、一回勝負の最大で1か月分ぐらいだ。勝ったり負けたりする。休み時間に花札をやっていて、取り上げられたこともある。
1か月分の小遣いをかけて勝負した日、僕は一日そのことをネタに笑っていた。結局、相手が降りたので、儲けは数百円だっただろう。それでも、勝負が終わったあとにも、ニヤニヤしていて、ドキドキしていた。もし負けたら、なんて想像するだけで、心拍数が上がるのだ。勝負をした友人も笑っていた。彼もまたどきどきしただろう。
たった数百円で、一日どきどきしていた。ぞくぞくとする感覚。多くの人が、宝くじを買って、夢想するだろう。楽しい夢の中にいるときのニヤニヤした感覚、当選番号を見るときのどきどきした感覚。大人になればなるほど、値上がりしてしまう。
数百円では、それが味わえなくなってしまう。どきどきは、値上げしたんだ。それを考えると、漫画とかって、安いよね。小説もアニメもそうだ。値上がりしていない。いまだに数百円で、どきどきが買える。すごいことだと思う。
あ、前半のギャンブルは作り話ですよ。ええ。