美しい人

「存在するだけで他者にとってプラスになる人間」というものがいる。たとえばキリストはそうだったと考える。権力者からは疎まれたかもしれないが、より多くの人から支持され、存在そのものがプラスだった。だから今でもそのパワーが残っているのだ、と僕は考えている。
以前、「神はどこに宿るのか?」でも書いたが、存在するだけで、プラスになると言うものがある。これは存在を認識する側に依存する。
「捕虜を勇気付けた架空の少女」というネタがある。大戦中に捕虜収容所に居た兵士たちのあるグループが、長引く捕虜生活の苛立ちから来る仲間内の喧嘩や悲嘆を紛らわすために、皆で脳内共同ガールフレンド(?)を作った。という話だ。これにより、彼らは正気を保ち、グループ内でのいざこざを平和的解決に導いた。この「脳内彼女」は、存在がプラスになっている。
これだ。
「存在するだけで他者にとってプラスになる」とは、そういうものだ。どこにでもいて、どこにもいない。心の中にいる支えのような。頭の中の監視官のような。在るがごとくに在るもの。
そういう美しい人を見たことがあるか? 僕はある。それは僕だけが認識する。