料理の才能がない

k4k2009-08-31

「料理の才能」というものを感じることがあって、センスとか味覚解像度の高さとか、そういうレベル以前の問題としての「才能」がある。
僕は自炊をしている。かなり長い年月していて、いろんな料理を作ってきた。ケーキも自作するぐらいだから、たぶんそのへんの人よりへんな料理も作っているだろう。料理をネタにすることも多い。そんな僕だが、僕には料理の才能はない。
というのも、僕は、料理のレシピを見て、そのとおりに料理を作っているからだ。レシピどおりに作る才能はある。しかし料理の才能とはそういうレベルではない。
たとえば、食べたい料理があり、レシピを眺めているとする。そのレシピに「ここでほうれん草を加えてください」とあったら、ほうれん草を買いに行く。なかったら、その料理をあきらめる。そういうレベルだ。
しかし、主婦に備わっているであろう能力「料理の才能」は、素材を見て料理を考えることができる。たとえばスーパーを眺めていて「あ、今日はこれが安いからこの料理にしようかしら」と考える。
僕にはこれがとても難しい。頭の中に大量にあるレシピ集から「この素材を使って何ができるか」という該当レシピが無い場合、あきらめてしまう。その素材をこうアレンジすれば、ほうれん草のかわりに使えるじゃない、と思いつかないのだ。
僕にはまずレシピがある。次に素材がある。対して料理の才能がある人間には、素材がある。レシピはあってもなくても良い。
どちらが優れたデザインであるかは、明らかだ。

というわけで、今日は本屋で立ち読みした、冷製パスタ。
皮を剥き、アク抜きしたナスをオリーブオイルで炒め、ボールにとる。そこにトマトの角切り適当、アンチョビ、オリーブオイルをこさじ1、おろしにんにくを少量。塩コショウを混ぜる。湯で時間を長めにとったパスタを水で冷やし、冷えたら水を適当に切ってボールであえる。完成。
ナスやトマトがなかったらどうする? 何がなかったら致命的だろう? 他にどんな野菜が入れられる? そういうのが出てこない。