トラウマや黒歴史の、忘却と破棄について

多くの人が、そういうものを抱えている。「やっちまったなー!」と思うことがある。そういうものを、忘れたい、なかったことにしたい、と思う。僕だってある。むしろ多いぐらいだ。思い出すだけで、うっがーっ!となるような、黒歴史だ。忘れたい。捨て去りたい。なかったことにした。そう思う。思うが…
しかし、そうなのか? 忘れてしまうのか。なかったことにしてしまうのか。それでどんな意味がある? なかったことにしてしまうのは自由だ。それで僕はどれだけ前進する? それで得があるのか? また、本当に忘れた頃に、同じ過ちを繰り返すだけじゃないのか?
トラウマや黒歴史によって、今の自分の動きが悪い、というのは、たしかに不具合だし、修正が必要だろう。しかしそれは、その場限りのたんなるパッチ修正に過ぎず、同じ問題が起こるのじゃあないのか?
トラウマや黒歴史を味方につけることはできないのか?
自分をより高みへ昇らせるエネルギーへと変換できないのか? 怒りも悲しみも恥も憎しみも、敵も悪意も不運も不慮も、すべては僕を高みへと押し上げるために存在しろ。そう思う。今はきっと健康なのだろう。いつでも高濃度の毒舌が食べられるわけではない。身体の弱っているときは、労わることだ。