わざとダサく作る

100円ショップのネクタイを見たことがあるだろうか? 見てみるとものすごくダサい。なんでこんなダサいデザインを思いつくんだろう、というぐらいダサい。
ときたま、こういう「どういうセンスで作るとそうなるんだ?」というものがある。Wordというアプリケーションとかもそうだし、みつをの文章もそうだ。本当に心底センスが感じられない。
しかし、そういうのを好む人間がいる、というのが事実なのだ。ポスターを10枚ほど作る仕事をしたのだが、この担当者がもう心底にセンスがない。というのも、70歳超えた官庁の人間で、RGBばっかりのWordみたいなカラーが大好きなのだ。
ああ、こういう人間がトップにいるからあの企業はダセェんだな、と思って仕事をしていた。そして僕は、客である彼に気に入られるように、ダサーイデザインをわざと作る。自分で作った完成品を見て「うはぁ、センスが微塵も感じられねぇー」と笑ってしまった。しかしそれがお客様には大人気。僕に文句を言う権利はない。客の望むものを作る。それがプロの仕事だからだ。
こうやって世の中にはわざとダサいものを作る人がいる。みつをもこんな気分であの文章を作ってたのかなぁ。…恥ずかしくないのか? あのポスター僕が作った、ってみんなにバレたくもないけど。