リア充(笑)

これだけ満たされた社会になった今でも、うまい食事をし、上等な酒を飲み、いい女とセックスする『しか』娯楽のないやつがいるのだろうか? 合コンするのもいいだろう。酒を飲んで騒ぐのが楽しいのもわかる。うまいものはいつだって食べたい。オフ会だって面白い。友達と遊ぶのはいつだって楽しいものだ。同じ趣味を持つもの同士が集まればいつだって楽しいものだ。さて、それであなたの言うところの「充」は得られたか? そんな程度のものがリア充(笑)だとしたら、僕には足らない。なにを「充」とし何を「不足」とするのか、個人の自由だ。
残念だが僕の求めているものは、そういうもの『だけ』ではない。
たった一人で、孤独に、煮詰めるモノ。そういう娯楽性だ。自分のためだけにアニメを見て、自分のためだけに本を読み、自分のためだけに絵を眺め、自分のためだけに料理をする。本を読んでも、他者に読書感想文を送ることはない。ただただ読み捨てていくだけだ。そういう、誰一人とも共有しない感覚。そういう娯楽性だ。
なぜか多くの人はそれを否定し、恐れる。孤独で一人で寂しいことを恐れる。いや、違うな、そういうオトナを見て、本気でそれは怖いものだと信じている、そういう信仰をしているやつが多すぎる。
本当は孤独が好きなくせに。寂しいのが嫌いな人間など、ただの一人もいないのだ。
自分が楽しいと思えるかもしれない、そんな予感を、他人から受けることはある。だが君は、誰かとおしゃべりしたいからニコニコ動画を見るのか? そうじゃない。自分が楽しいから見るんだ。自分がつまらないと思ったから切り捨てるんだ。他者の眼が気になるからやる、なんて娯楽をするんじゃあない。自分が楽しいと感じられる娯楽をしよう。