値段なり

たまに紅茶に詳しくない人から「どんな紅茶がオススメですかね」と聞かれることがある。その人は普段あまり紅茶を飲まない人なのだろう。「ダージリンなら外れないんじゃない?」と答えた。
フランスに旅行に行った知人から紅茶の葉をお土産でもらった。「すげーうまいってみんな言ってた」とその人は言った。マリアージュフレール。それ、日本にもあるから、とはいえなかった(値段を聞いたら日本の半額ぐらいだったけど)
たとえば、僕が酒のお土産を誰かに買っていくとする。その場合、酒に詳しい人に「どんな酒がオススメですかね」と聞く。相手はハズレないブランドを教えてくれるだろう。じゃあ、それが東京で手に入らないものなのか、と言われると、たぶん手に入るものなのだろう。
そうやって置き換えると、物って、たいてい値段なりだなぁ、って感じる。まあ、東京で手に入らないのは、移動費が関係しているだけで、そこもやっぱりその手間賃が含まれているわけだ。
中国に行ったとき、スーパーに立ち寄ったのだが、本当にものが無かった。高いとかそんな問題じゃあなくて、存在しないのだ。洋食に関連するものは、滅多に見ない。パスタもオリーブオイルもない。安い中国食材ばかりが存在した。もっと都市部に行き、高級店のならぶ街に行けばあるのかもしれないが、中国は広く、その場所に行くのに飛行機で行かなくてはならなかったりする。
ボジョレーヌーボーなんて試飲用の安ワインを高価で買い取ってくれる日本人は、馬鹿だと笑うやつもいるだろう。でも、日本人は金持ちで、金があればだいたい値段なりのものが手に入る。それって実はすげーことなのかなぁ、なんて思った。