死は暇だ

死は、暇で余裕で孤独なのだと思う。死んでも思考することができたのなら、当分の間は、いまある手持ちの情報でやっていけるだろう。しかし、それは結局、当分だ。やがて飽きて、生まれることを望むだろう。新しい情報を欲しがるのだろう。この世が、どんなに苦痛で絶望しかないと、知っていてもだ。
ジェットコースタを見ていると思う。なぜわざわざ恐怖を発生させる装置を作るのだろう? 酒を飲んでいる人たちを見ても思う。なぜわざわざ体調不良になるのだろう? 泣ける映画を観ている人たちを見ても思う。なぜわざわざ悲しい思いをしにいくのだろう。マイナスも娯楽にできる豊かさなのだろうか。それとも、人間とは、生物とは、生きるということは、そういった危険性を孕んだ不確定な状態を望んでいるのだろうか。
さて、じゃあ、生きてるうちに、がんばるか。どうせ最後は死ぬほど暇になるわけだしね。

                • -

今日の買い物
不思議な少年(7) 世の中、こういう天才がいる。それが、すごくうれしい。