賢者の金時計

k4「ちゃんと話し合え」
「賢者の贈り物」って話を知ってるだろうか? 概要はざっとこんな感じだ。

貧しい夫妻が相手にクリスマスプレゼントを買うお金を工面しようとする。妻は、夫が大切にしている金の懐中時計を吊るす鎖を買うために、自慢の髪を切って売ってしまう。一方、夫は妻が欲しがっていた鼈甲の櫛を買うために、自慢の時計を質に入れていた。

なんだろうなぁ…悪い話じゃあないですよ。もちろん。良い話です。お互いを思いあってるな、ってところはスゴクイイし…でもなんだろうなぁ…。なんでそんな「背水の陣」を平気で使うかなぁ。その場合、もっと話し合いをすべきだと思うんだけど。
サプライズって単語を、プラス面の意味で使う人が多いけど、僕はサプライズのマイナス面が見えてないように感じる。サプライズって、ストレートに言えば「軽い」んですよ。内容がない。だからサプライズなんて演出をしなくちゃならない。それは、本質的な素晴らしさではない、と感じるんですけど。多くの人はそう思っていないのか。そうじゃなくて、事前にネタバレしていても、すばらしいと感じるものをプレゼントしたらいいじゃん。例えば「西の魔女が死んだ」って話がある。思いっきりタイトルでネタバレしてるけど、サプライズなんてなくても、こちらを一刀両断するパワーがある物語だ。
あとね、そのー…この話ってさぁ、じゃあこの夫婦が事前に話し合ったらどうなったと思う? 絶対お互いのプレゼントを否定するでしょ。そんなことまでしないで! って言うでしょ。じゃあ、そのプレゼント、間違ってんじゃないの? 相手のことを思いやった素晴らしいことだ、とは思うけど、このエピソードに賢者ってついてるのが、ちょっとなぁ、って思う。本当に賢者かぁ? それ。
いや、僕は賢者じゃないので、どういう行動が賢者としての行動なのか、予想するしかないんですけど。あなたの想像する賢者なら、どういう行動をするだろうか?