趣味の範囲

以前使っていたデスクトップPCを父親にあげた。すると「前まで見られたDVDが見られなくなった!」と連絡が入った。もちろんDVDドライブを積んでいるPCである。DVDは購入したもので、見られない理由は思い当たらない。
「実家に帰ってきて見てくれ」といわれたので答えた。
「動画を見るのを止めるべきだ」
同じように「HDビデオのつなぎ方がわからない、つなぎにきてくれ」というので呼び出された答えはこうだ。
「テレビを見るのを止めるべきだ」
テレビはみんなが見ている、という言い訳がしたいらしい。どうも「趣味」というものを理解していないのか。きっと裕福ではなかったのだろう。多くの人は、馬鹿みたいに多趣味だ。よくあんなに多くのことができるものだと感心する。その趣味の中にテレビを見るというものがある。趣味を嗜むのは自由だろう。だが、自分の力で見られないのなら、もはや趣味の範囲を超えているのだ。見るべきではない。テレビゲームがしたいけど、どういう配線をしたらいいのかわからないなら、もうテレビゲームをすべきではない。植物に水をあげるのが面倒なら植物を飼うべきではない。ごく当たり前の趣味の話をしているのに、なぜ理解できないんだ? どうやったら理解を得ることができる? 身近なその道に詳しい先輩に助言を求めることもあるだろう。だが学ぶ意思がない人間に教える者はいない。
テレビは趣味だ。見るやつの勝手だ。見たいなら見たい努力が必要だ。ケーキを焼くのとなにもかわらん。自分の能力の範疇を超えているのなら、自分を拡張するか、諦めるしかない。
あ、もちろん実家には帰りました。贈答用の白桃がいっぱいあるって言うから。