死にたい状態

説明が難しいし、同意が得られるかは、さっぱりわからないんだけど。
時々「自分は死にたいのか?」と思うことがある。ものすごく客観的にそう見える。冷静に考えると明らかにうまくいかないのに、それをやってしまうことを止められない。「後から考えると無理だとわかる」ではなく、やっている最中から「今行っていること、行おうとしていることは、無理で意味がなく損失が大きい」とわかっているのだ。だけど、止められない。あのとき、いったい誰が僕を動かしているのだろうか。僕はその状態を「死にたい状態」と名づけた。
例えば。
仕事が終わり、とても腹が減っている状態で駅を降りた。時間は夜遅い。近所にある人気のラーメン屋に行きたいと思った。駅からかなり離れており、そのラーメン屋にいく途中には、多くの食べ物屋がある。他のラーメン屋もある。そもそもその人気のラーメン屋の閉店時間もイマイチわからない。それなのに僕は駅前に並ぶ食べ物屋を通り過ぎ、目指したラーメン屋にいく。…閉まっていた。時間が時間だ。当然だろう。僕はとてもお腹が減っていた。来た道を戻って、先ほど通り過ぎたもう一軒あるラーメン屋にいけばいいのに、なぜか戻る気になれない。僕は家路を大きく離れ、ぜんぜん人気のないラーメン屋を目指す。そのラーメン屋も閉まっていた。もう、どうしようもなく、お腹がすいていた。僕は、そのへんのマクドナルドに入って安いハンバーガーを食べた。

この状態って、他の人にもあるんだろうか? もう当初の目的も見当たらないし、何がしたいのかもわからない。歩いている最中は、明らかに損失だ、と考えているのに、抗うことができない。その行動をとっている僕にも、理由がわからない。脳の病気なのだろうか。マクドナルドに入るとき、お腹は満たされるが、それ以上の失望が僕を襲うのがわかっているのだ。それなのに、もうだめだ。
ときどきこういう時がある。なぜ後悔するとわかっている行動をとるときがあるのだろう。それはたぶん死にたいのだ、と定義した。

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