妄想が現実を凌駕している

なぜ「のぶよ」は「ドラえもん」に上書きされてしまったのか?
なぜ「武田鉄也」は「キンパチ」に上書きされてしまったのか?
中学生ぐらいだとありがちだと思うんだけど、漫画とかアニメなんかの主人公みたいに、自分は特殊な能力があり、今の自分は本当の自分じゃない、みたいな妄想ってあると思う。誰にでもあるんじゃないかな。自分は背徳の堕天使だ、とか。どんだけメンヘラだよ。
で。
それって、「のぶよ」であり「武田鉄也」じゃあないのか? という気がしている。そういう「妄想の作り話」であるところの「主人公」に、「現実の人間」が上書きされてしまっている。
彼らはただの人間であったはずだ。それなのに、「役柄」に引っ張られ、ついには役柄の人間は自分だと思うようになってしまった。自分は背徳の堕天使だ、と信じるのと同じように、だ。
これの拡張版で「木村拓哉」とか「田村正和」とか「市村正親」いうのがいる。彼らはどんな役をやっても「木村拓哉」であり「田村正和」であり「市村正親」である。彼らはどこにいても、どんなドラマに出たり、バラエティにいても、いつでもそのままだ。彼らの主人公は自分だ。