ナルトに見る「たいしたヤツ」理論

「これほどとは」「たいしたヤツだ」という単語について。
ナルトってやったらこの単語が出てきますが、なんでだろう?と考えてみた。この文章の形状は、相手を褒めると同時に、自分には実力がある、ということを見せられる文章形態だ。いままでも「恐ろしい子」や「知っているのか雷電」などもあったが、ナルトがあまりにこの単語を連発することで、様式美として確立された。

ひとつは褒める能力。
「こいつ、一番目にこれをもっておくるなんて、やるな!」と言う文章の場合、自分も議題内容を熟知していること、相手も同様に熟知していること、が前提となる。「これほどとは」と言う表現は、両者が内包された状態であり、状況を把握していることを示す。
まあ、ようするに、褒めるという形状を取っているが、第三者に対して、自分も相手も、レベルが上であることをアピールできる。

もうひとつは、状況説明の能力。
状況を把握しているが故に、絵では大爆発しか見えない(つまり表現力が低い)が、文章としてその爆発がなぜすごいのか、という補足をすることができる。自然に説明文が入れられるので、読者にわかりやすくなる。

この理論の話は、たぶんもっといろんな側面があるはず。ただ今は面倒なので、ここまで。

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クビキリサイクル文庫版 初読のときって、ラノベじゃん! と思ったけど、読み返すと、この人、すげーなぁ…。