妄想と芸術の空気抵抗

芸術家の最大の問題点は、芸術を表現しなくてはならないことだろう。
頭脳の中にある「芸術」を現実に表現しなくてはならない。それが最大のいわば問題だ。頭脳の中にある妄想はすばらしい。あらゆるものが、まさに思いのままである。ところが、他人に見せるためには、聞かせるためには、感じさせるためには、現実という圧縮をかけなくてはならない。これが恐ろしく抵抗の高い存在で、妄想のエネルギーの大半は空気中に分散してしまう。
芸術家たちは、それをなんとか、生み出した。表現者は、それをなんとか、現実に表して見せた。そこがすごい。たぶん世の中にいるほとんどの人間が、妄想を嗜むが、現実にそれをアウトプットすることは難しい。現実の空気抵抗はそれほど高い。
他人の妄想ってすげー面白いんだろうなぁ。ちょっとだけ見せてくれよ。現実の空気抵抗は高いけれど、がんばってそいつを僕に見せてくれ。面白いこと考えてるんだろ?

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金色のガッシュ(32) また、明日。次巻で最終話!