僕の大規模な失敗

ときどき、会う人から「細かい性格だよね」といわれるが、それは間違いだ。僕はものすごくいい加減である。別に自虐でもなく過小評価でもなく、そうなのだ。僕をよく知る人になればなるほど、この表現が的確であることを知り、僕をよく知らない人間であるほど、僕が細かく見えるようだ。仕事上、細かいことをしているせいなのか、それとも細かいツッコミ話をするせいなのか知らないが、わりと間違われやすい。特に金銭については絶望的にズボラだ。何にいくら使ったのか、誰にいくら貸したのか借りたのかさえ、さっぱり思い出せない。だから金の貸し借りはしないことにしてる(忘れるから)まあ、とにかく、僕は、かなりズボラな人間である。
どのぐらいズボラなのか、というそんな僕の大規模な失敗の話をしよう。実はまだこの問題は解決していない。端的に言うと、『僕はある日気づいたら、100万円ほど得した。そして、相手は100万円ほど損した』という話である。

ある日、僕は不動産屋に行った。家賃更新のためである。この更新料というのは日本独自のシステムだそうだ。まあ、そんな目くじら立てて修正したいほどの金銭でもない。アパートの外灯が切れていたり、外壁の修繕をしてくれたり、ゴミ置き場がきれいだったり、大家との手続きをやってくれたり、トラブルの対処なんかを、勝手にやってくれるんだから、そのサービス料だと思えば、アリだろう。(それは管理費に含めれば良いのでは? というのが個人的な意見ではあるが)
そんな賃貸更新をする際に、屋内メンテナンスの話をした。最近、換気扇から異音がするのが気になっていたのだ。風呂場の換気扇なので、水分や埃により劣化するのだろう。それは「通常に使っていて壊れたもの」なので、不動産屋のほうで対応できるのか? という話をした。ついでに、網戸の劣化についても話した。日光のエネルギーとはすごいもので、南向きの窓にある網戸がボロボロになっているのだ。触れると崩れてしまう。ちょっとした「灰で編んだ縄」のような感じだ。
「この問題を解決してくれたら、今借りている賃貸物件、更新してもいいよ」僕は言った。
不動産屋は、すぐに手配をし、数日後には修繕完了。料金は一切かからなかったし、換気扇は静かで快適、網戸の張替えも行ってくれた。非常に満足である。なにか住宅に関する問題がある場合、とりあえず不動産屋に相談してみるといいだろう。もちろん有料で解決する場合もあるだろうが、問題を解決できて快適に過ごせるのなら、言ってみる価値はある。
…さて、話を戻そう。
僕のなにがズボラなのか…。
簡単に言うと、
僕は、
この1年間、
家賃を払っていないのだ。
誓って言うが、払う気がなかったわけでもない。金がなかったわけではない。自動引き落としの設定を間違えていて、2年間払う設定にしたつもりが、1年間しか払われておらず、その後、賃貸更新時期するまで、未払いに気づかなかったのだ。つまり僕は、1年も家賃を払わず、しかも厚顔無恥に「更新してやるから問題を解決しろ」と、不動産屋に乗り込んだのである。
いやぁ。
なんか、いつも使う銀行の預金が、やけに増えるなぁ、とは思っていたんだけどさぁ。ヘンだと思ったんだよねぇ。普段どおり無駄遣いしてるし、別に副収入があるわけでもないのに、金ってあんまり減らないもんだなぁ、と、発覚してから言うのである。1年分の賃貸料払ってないんだから、そりゃ100万ぐらいになるわ(まあ、実際はもっと安いが)。
で、
まだ問題が解決してないってのは、
「誰からもこの問題を指摘されていない」んだよね…。実はこの未払いの件。不動産屋から指摘を受けたわけでもなく、大家から文句を言われたわけでもない。たまたま僕が自分の通帳を見ていて気づいたのだ。オイオイオイオイ、そんなのってあるかぁ? 世の中、どんだけズボラなんだよ。高田純次だってもうちょっとマシなんじゃあないの? とりあえず今は仕事がクソ忙しいので、来週の週末あたりには、不動産屋にいける予定だが…。最後にもう一度だけ言うが、僕はものすごくいい加減である。