TheBookに見る装丁の世界

乙一のTheBook、買ったんですが、装丁がすごい。本棚に置くだけでビシッと締まった感じ。金の箔押しで豪華だし、革張り風でカッコイイ。本棚に置きたくなる装丁だ。漫画や小説の背表紙のダサさに少々辟易していたので、ものすごくうれしい。

本とは、中身のソフトウェアが重要だ。それに金を払っている。だけれど、本そのものはハードウェアだ。小説に1500円なんて高い! 文庫本にしてもっと安かったら買うのに! という人もいるだろう。そういう人は文庫本を買うといいと思う。中身をまったく読まないけれど、カッコイイからハードウェアとして飾るための美術書を買う、ってのはアリな発想だと思うんだよね。実際、日本がバブル期だった頃も、そういう飾り方をした。当時はそういう流行だったんだろうけど、今はもっと豊かにそれが選択できる時代だと思うんだ。子供の頃、実家の本棚に、なんで誰も見ない美術書全集なんてものがあるんだろう? って思ったことない?
本というハードウェアの値段だ。ハードカバーを買う人は、そういう気持ちで買うのだろう。
数年前から荒木飛呂彦の単行本のつくりが話題になっている。死刑執行中脱獄進行中からだろうか。箱入りの装丁の漫画が出て「なんじゃこりゃ!漫画なのに1000円もするの!?」とみんなが言った。その後、画集JOJO A GOGO!が出た。5000円以上する。漫画の画集とは思えない値段だった。
もはや、漫画は子供向けの商戦ではない。世界に通用するジャパニーズアートのひとつだ。画集が5000円なんて、ずいぶんと安い。置いておきたくなる本を、飾りたくなる本を、作っていってほしい。みんなに読んで欲しい、という意識は、編集者が持つ意識であって、アーティストはもっと先を見ていることがある。
アーティストは、もっと孤独で、豊かな思想を発してほしい。それを感じたい。そのうち、絵として売り出して欲しい。原画で100万円ぐらいだったら買うと思う。

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今日の買い物
The Book 〜jojo’s bizarre adventure 4th another day〜 乙一