インドのスターとハリウッドのスター

あるインドの映画スターがいた。ハリウッドが彼に言った。
「こっちにきて映画とらないか? 君ならすぐにスターになれるよ!」
それを聞くとインドの映画スターが言った。
「インドの人口は10億人だ。アメリカの全員に見てもらうより、インドの全員に見てもらったほうが多いじゃねぇか。お前らがこっちにこい」
なんか、すごい、発想の逆転だと思った。
たとえば、イスラムの法律は男尊女卑の法律だ。男性にレイプされた少女が死刑になったりする。そういった男尊女卑の拷問を見ると、男女平等を推奨している僕らは心苦しく思う。だけど向こうからしたら、「なんで一緒なんだよ、男女は別だろ」と思うのだろう。
日本人はイルカもクジラも食べるが、ヨーロッパの人間からしたら、信じられない野蛮な行為だといわれる。中国人が猫や犬を食べるのを見て、日本人は信じられない野蛮な行為だという。日本人だからその価値は日本人の価値観に固定されているが、世界のいろんな国の人間だとしたら、どう感じるだろうか? 自分がヨーロッパの人間だったら? 自分が中国の人間だったら? 自分が魚や木々だったら? 自分が宇宙人だったらどうだろう?
価値や、普通という概念や、常識を、どういうふうに捕らえているのだろう? なんかどっかの誰かが僕を見て「あいつってカワイソー。あいつみたいにならなくてよかった」とか言われてるのかな。それはそれで、そいつは幸福か。