週刊誌の売り上げ低迷についての考察

週刊誌の売り上げが落ちているらしい。黄金期に600万部売り上げのあった週刊少年ジャンプが、今では280万部ほど。それでもかなりの売り上げだと僕は思うが、過去にあった最多と比べると半分以下ということになる。それに対し、単行本の売り上げは特に変化がなく、今では単行本のほうが週刊誌本誌より売れている。
この現象を見て「なんでこんなことになったんだろうか?」と各所でいろんな理由をあげているが…逆に不思議だ。なんで「週刊誌のほうが売れる」と思うんだろう? 僕は「いままでのほうが異常」だったと思う。
ちょっと想像してほしい。小説を読むとしよう。だけど「小説現代」とか「小説新潮」とか、ようするに「小説のジャンプ版」みたいなのを読む人って、そんなにいるかぁ? 僕のまわりに本好きはかなり多いが、そういうのを読んでいる人間は滅多にいない。おそらく、一話一話が分断されている中途半端な話を一まとめにした本を読むには、スキルが必要だからだろう。
それに比べて、一人の作家が書いた一冊の本を読むほうがずいぶんと読みやすいし、そうやって作家別で読む人がほとんどだと思う。そこには出版社やジャンルなんて大きな枠組みではなく「作者」というものがひとつのブランドである。その作者が、「ジャンプ」に連載しているか「マガジン」に連載しているかなんて、小さいことなんじゃあないの?
週刊誌は「ジャンプ」という単位のブランドだが、単行本は「作者」という単位のブランドだ。小説のように週刊誌形状のものは、売れなくなっていくと考えるのは自然だ。今後もどんどん「作家」という単位の存在になる。
アニメもドラマも、現状のテレビ番組は「ジャンプ」のような形状をしている。一話一話をイチイチ見ているが、それって今後もそうなのか? 本当に面白いものは、まとめてDVDとして見るようになり、毎週見ているような人間はどんどんいなくなる。ときどき、ネタバレが怖いのか知らないが、一日でも早く作品を見たい!というマニアと呼ばれる気まぐれな人間が、週刊誌を買い支えるようになるだろう。

参考文献:
マンガがあればいーのだ
http://mangaen.blog30.fc2.com/blog-entry-478.html