それをすてるなんて、とんでもない!

諸君。
果敢なる勇者諸君。
見たまえ、この目の前にある、高く積み上げられた『バベルの塔』を。
諸君。
果敢なる勇者諸君。
押入れの中にあるバベルの塔(Lv1)を破壊する、これが3連休中のミッションである。
バベルの塔は、本棚に入れなかった憐れな書物によって構成される、書籍の塔である。過去は栄光ある本棚の第一列に並んでいた彼らも、月日とともに再読の回数を減らし、最後は誰の目にもつかない押入れの奥へ追いやられ、高々と積み上げられ、既に必要とされることがない。
その憐れな者達を葬りさるという君らに与えられたミッションは、絶望ではない。この哀れな本をダンボールに詰め込み、我々ではない誰かに再読される機会を与えることであり、これは希望である。しかし気をつけなくてはならない。彼ら古兵。気を抜いてうっかり再読を始めると、その魅力に再度翻弄されることは間違いないだろう。
我が家の押入れの中にできたバベルの塔など、『彼の先生』の築いた『伝説の塔』に比べればほんの小さな藁の家に過ぎないが、それでも我々の持ち時間を駆逐するのには、問題のない兵力だ。
諸君。
果敢なる勇者諸君。
どうか気を引き締めてこの任務に当たっていただきたい。
本を捨てるということは、その覚悟が必要なのだ。

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押入れの中の本を整理中。
ブックオフに売る本をリスト化したいが…さてどうするかな。