老いてなお、欲するもの

僕の父親は、もうすぐ老人になる。年齢でいうと65歳。日本の規定ではそれ以上が老人である。元気か、健康か、身体に欠落はないか、子供の有無、経済基盤、年金、そんなことと老人は一切関係がない。65歳以上は老人である。この間、久しぶりに実家に帰ったときに、父親に聞いたことがある。
k4「これから日本は、超高齢化による老人社会になるでしょう。さて、これから老人になるあなたは、一体何が欲しいんです?」
父「そうだな……『席』だな」
k4「席? 椅子の?」
父「物理的なモノではない。ポジション、居場所、立場……置き換えてもいいが、つまりそういった『席』だ」
k4「それは……サークルとかグループという『場』を作りたいという意味?」
父「それも含まれるが、私が言っているものはもっと広い。酒を飲みに行くと見知った人間がいて、自分はいつもの席に座るとか……。お前が言った仲良しサークルでどこかへ出かけるとかもいいだろう。教師だったり生徒だったり……上司だったり部下だったり……人とは『席』を欲しがるものだ。お前から見た『父』という席を私は持っているが、それは『家族』という『場』での席であり……多くの人間は複数の席を同時に持っていて、自分の安心できる席が欲しいものだ」
なんとなくわかるが、まだ理解しきれない。ときどき、思い出してそのことを考える。まだ煮詰まらない思考だ。だけど、いつかはたどり着くだろう? 向かっているわけだからな。

                • -

今日の買い物
ケロロ軍曹(15) モアイ話。ケロロ軍曹が多くの人に受け入れられたのに、もて王は受け入れられなかったのか。パロディの面白さについて考える。パロディとは、知っていれば、より面白い。しかし知らなくても面白い、というのが前提なのか。