他人に求めること

年末に実家でくつろいでいた時の話。家族団らんで麻雀卓を囲んでいる。僕はノドが乾いたので、石油ストーブの上で沸いていたお湯を使って、紅茶を淹れた。妹がそれを飲むと「お兄ちゃんって紅茶を淹れるのうまいよね。渋味がないっていうか。あたし、この前、カレシに『紅茶淹れるの下手クソだ』とか言われちゃってさぁ」と愚痴り始めた。
僕は「文句があるなら、カレシが淹れればよい」と答えた。
当たり前のことだと思うが、どうやらそうではないらしい。「カノジョが料理を作ってくれない」とか「料理がヘタクソだ」とか言う話を聞くと、どうも不思議な気分になる。そう言うのなら、オマエがおいしいものを作って見せれば良いのではないだろうか。自分も出来ないことを他人に求めているのか?
「文句を言うことで、現状がより良くなる、問題点が解決される」という構造は、理解できなくはない。しかし、企業でもない相手に求めすぎだと僕は考える。少なくとも、問題点があるのなら、解決方法ぐらい添付してから見せてはどうだろうか。それもできないくせに、文句だけを言う人間が多い。たぶん甘やかされて育ったんだろう。そういう人間が社会でも生きていけるなんて、優しくてよくできた社会だと思う。
ちなみに紅茶の渋味が出るのは、茶葉をお湯に長時間入れるから。茶葉の大きさで判断すれば、大体分数がわかる。細かい茶葉ほど短時間で出る。