甘い言葉は摂取しすぎると太る

残念ながら、そして冷静に判断して、僕の言葉は弱っている人間にはキツイ。味がかなり濃いし、不健康な時は飲み込むことが困難な文章が多いだろう。「あなたは健康だからそういえるのだ」と読む人は言うと予想している。そう、僕の言葉は基本的に毒で、大量に服用しないほうが良いと自分でも思う。だから弱く折れそうな人の支えにはならない。ここにある言葉は冷たく、優しさはない。
だけど、誰だって、いつでも強く健康なわけではない。僕だってそうだ。死にそうなときに、普段から見れば信じられないほど甘えた生易しい言葉が、人を救う。恋愛に疲れた人間に対して「恋愛なんてくだらないことで…」と言う言葉では、彼らは救えない。弱っている時にかけられた言葉は、後から見れば「なんだこれ」と思うほど甘ったるい。事実、世の中に溢れる人に優しい100の言葉はたいてい生ぬるい甘ったるさがあって、健康時には受け付けない。だけど病人は、あれぐらいじゃないと、食べられないのだ。
世の中にはそういった「甘ったるいもの」がいっぱいある。それは世の中がそれだけ優しいということだ。だけどその甘ったるさが嫌いだ。それがつまらんと思えるほうが健康で、前進している。甘えて立ち止まらざるを得ないときは、甘えても良い。しかし常時そんな甘いものばかり摂取していると太る。長所ばかりがある世の中はない。表裏は一体だ。