街中でマシンガンを乱射してみたい症候群

毎朝、満員電車に乗るときに。あるいはイベントの人ごみにもまれるときに。あるいは土日の新宿や渋谷のスクランブル交差点を歩くときに。ふとした思考がよぎるときがある。
こいつら目掛けてマシンガンをぶっ放したら、きっと静かになるんだろうな、なんて。そんな稚拙で幼い思考。
誰かを殺したいわけではない。できれば人は死なないほうが良いとさえ考えている。乱射したら死ぬことは考えていない。ただ誰もいなくなると考えている。独裁者スイッチのように、押すと相手が消えてしまうボタンと同じ。きっとのび太と同じような状況に陥るのだろうな、と傍観はできるけれど。
なんとなく目障りなマスメディアを叩いてみる。なんとなく目障りな学校の先生をつるし上げてみる。なんとなく目障りな政治家や国会議員や、その他の金持ちどもを批判してみる。だけど、それで誰かが被害を受けるなんて思っていなくて、そのうちマシンガンをぶっ放す自分が正しいとさえ思ってくる。相手が間違っていて、このままじゃ悪くなる、そんな被害妄想にとり憑かれて、マシンガンをぶっ放すことに傾倒していく人がいる。ただ乱射してみたいだけのくせに、理由を跡付けで考えている。
撃った後に言うんだ「殺す気なんてなかった」って。本気で言っているところが、恐ろしい。