生まれながらに貴族

海外から日本に労働者が流れ込んでいる。
それが良いか悪いかという話ではなく、現実として流れ込んでいる。コンビニへ行くと、アルバイトのほとんどが外人だった。中国人か韓国人か、僕には見分けがつかないけれど。料理屋へ食事に行くと、ここにも外人バイトがあふれていた。ガソリンスタンドでも見かけるし、CDを買いに行くと、コーナーができていたりする。この間、ある舞台を見に行ったら、キャストの中に中国人名がちらほらとあった。
さて、日本人はどこへ行ったのだろうか。もはや働かなくても食べていける貴族になってしまったのだろうか。日本人に生まれたというだけで、生き死にの危険はグッと減る。海外には、いまだに平均年齢が40歳なんて国はざらにあるのだ。ある国で起こった児童バスジャックの犯人が要求した内容は「貧困地区に、学校の設立と食糧供給」だった。日本で働きたい、と思う外国人はきっと多いだろう。
海外からきた労働者は、日本で働き、その税金を日本に納める。日本で労働をしているのだから当たり前だと日本人は言う。ヨーロッパの貴族のように、自分たちの領地を貸してやっているのだからと、なんの疑問もなく言うのだ。
格差社会と騒ぎ立てる人たちがいる。下流社会と騒ぎ立てる人たちがいる。その人たちは、自分がどこに位置しているのか、認識しているのだろうか。金持ちにやってほしいと思うことを、自分たちは、やっているだろうか。
そのうち、日本人の誰も働かなくなっても、海外労働者だけで成り立つようになるんだろうか。そんな貴族国家を考えたりする。生まれながらに労働階級と特権階級がわかれているなんてのは、ずいぶん昔の話のように思っていたのに、今もかわらず続いているのか。