映画版 ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド の感想

どこから書くべきか。まずことの発端は、映画版がとんでもなくひどい、という噂を聞きまして。PS2版第一部ジョジョゲーを購入している僕としては「なんとなくわかるわ」という気分だったのですが、どれだけひどいのか、ファンとしては見に行かないわけにはいかないだろう、ということで、ジョジョファンの有志を集っていったわけです。結局10人も集まって、それはそれで「え、なにあの団体」的な人だったし、そもそもここまで評価が悪い映画なんだから、僕らだけしか映画館にいないんじゃないかなんてことまで思ったんですが、意外とほかにも人がいました。誰もいなかったら、映画の途中で「メメタァ!」とか叫んでも、誰も怒らないんじゃないかとか思いましたが(たぶん人がいても怒らなかったかもしれない)
ご存知こちらのジョジョファン暦は、10年以上の猛者ばかり。「バラが目に刺さったときになんていう?」と聞かれたら「カエルの小便よりも下衆な波紋」だし、「荒木関連に投資した金額を教えてください」と言われれば「おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?」と、なんの躊躇も無く言える人間ばかりですよ。
まあ、そんな人たちが、明らかに地雷とわかっている映画をみんなで見に行って、どれだけ罵詈雑言が生み出せるかを競い合おうじゃあないかと、という企画が誕生しました。がっかりイリュージョンを楽しみたい。そのためにはしっかりと1800円のお金を払って地雷原に自ら踏み出すこのマゾ集団。ホントに、どうしようもない人ばっかりです。中には真実にどうしようもない人が数人いて、すでに劇場版を見ていて、地雷を踏んだせいで片足が吹っ飛んで松葉杖をついているのにもかかわらず、二回目を見に行こうという、こう、お前、もう片足もなくなんぞ的な古兵(ふるつわもの)もいまして、お前はどんだけマゾいんだと。その古傷全然癒えてないじゃん、血が出てる血が出てる。そんな傷口を思わずえぐってしまう僕なのですけれど。
で、これから感想です。長いよ、前フリが。いやぁ。まあ、見ていること前提で書きますよ。ネタバレなんてもう打ち切り寸前の映画に言うこともないでしょうから。あー、

見に行ってよかった。

いや、これ素直に。なんというかなぁ。みんなで見に行ってよかったというか、みんなで見に行かなかったら、僕はDVDを買って、家で一人で膝を抱えながらこの映画を見て「あー、いつもは買えないすっごい高いけどおいしいケーキを貪り食いたい。両手に一個ずつ持って素手で食いたい」というストレスを受けたのだろうなぁ、なんて考えると、1800円程度の被害で済んで、むしろラッキー。ホントに、映画館から家に帰る途中に高級なお菓子屋があったら、迷わず買ってたところだね。本屋が開いていたら、あの分厚いジョジョの第一部本買ってるところだった。レイトショーでよかったなー。帰りにどの店も閉まっててよかったなー。

なんか、こう、いろんなところから情報があって、ジョジョの映画は、制作費がどうのとか、作成時間がどうだとか、製造会社がどうだとか、いろんなアンラッキーがあったから、とりあえず形にしました的なことらしいよ、という話しを聞きますけど。お前、そんな言い訳、普通の見に来る人に通じると思うなよ。宮崎ゴローだかロクロだか知らないけど、こっちはジブリアニメだから大丈夫だろうと信じてゲド戦記見に行くわけじゃん。それと同じ。知らねぇよ、内部事情なんて。

お笑い芸人のスピードワゴンがゲスト出演していますけど、あのさぁ、それもさぁ、スピードワゴンの二人って、ホントにジョジョのファンなのか? これのアフレコやってて、恥ずかしくないのか? 所詮は仕事か? ファンって、仕事じゃないところが、無駄なところが、意味の無いところが、すげぇ重要なんじゃあないの?

なんかあまり悪口書いてないのに、すごい行数になってきたんですけど、まだ本編の悪口は一言も書いてないので、これからですよ。ええ。
…ピンポンパンポーン
ここからは、絵にもかけない『映画に対しての悪口』でしたが1670万文字ほど削除されました。詳しくは「悪魔の辞典」「罵詈雑言辞典」などをご覧ください。ちなみに僕は読んだことがありません。
…ピンポンパンポーン
みんな! ジョジョを見に映画館へ行こうね★


終わろうかと思ったけど、一応。このサイトじゃなくても、映画の悪口ならどこにでも書いてあるので、違う視点から切り込んでおきましょう。なんかさぁ、原作がある映画が「ダイジェストっぽい」のは、なんでなんだろう? 蟲師は、逆に原作が一話完結のように短いのを無理やり繋げてしまったせいで、おかしくなっているなんて話がある。
この違和感はなんだろう?
おそらく「映画」という文化が「映像を2時間近くやらないといけないもの」だと思い込んでいるせいではないのか。テレビアニメは、13話(1クール)で割り切れるように作る。しかし、漫画や小説とは、そういった作り方をしない。制作方法が違うのだから、どこかで何かを切り替えなくては成り立たないはずだ。「なぜ映画は一話完結なのか」「なぜ映画はだいたい90分から180分なのか」「なぜ映画メディアにするのか」いくつか疑問が思いつく。もしかしたらほかにもあるかもしれないが「映画とは何か?」と問う姿勢に、何かが見つかるかもしれない。