犯人はこの中にいます

たいていの場合、体感したことがあるとは思うんだけれど、本屋に行ってさ、こう「女子漫画コーナー」みたいなのに迷い込むと、ちょっと「結界」を感じるじゃないですか。デパートで言うと「下着売り場」とかね。女性がどういうときにそういうのを感じるのかわからないですけど、たぶん女性もそういうのを感じることがあるでしょう。なんか、別に建物としてはおかしくもないし、棚一つ向こうは普通だったじゃん、みたいななのに、なんか、空気が違うようなところ。で、本屋の一角が、なんか雰囲気違くねぇ? みたいな感覚で水着のお姉さんがいっぱい写っているエロいコーナーっていうのがあるわけですよ。ね。コンビニとかでもあるでしょ。わりと同居しているわけですよ。棚のちょっと向こうだけ雰囲気違うけど、まあ一店舗に入れておくか、みたいな扱い。
で、そういう世界が(たぶん)一般的なわけで、まあ、良い子のみんなは知っているか知らないかわからないけれど、世の中にはエロ本屋というのがあって、そこは、エロ本だけ売ってる、みたいな本屋があるわけ。まあ、基本的には「お前、モテなそうだなぁ」という腐臭を放ってるヤツしかそこにはいません。イケメンとか見たら殴っていいことになってるから。バットが出入り口に置いてあるから。それ用の。女連れの場合は、そのバットに釘がいっぱいついてるヤツを使ってもいいことになってるから。だからむっさい男しかいない、素敵な本屋さんがあるのです。ええ、まあ、僕の脳内の妄想の中だけですけどね。
で、その本屋さんに行って、僕がいつもどおりのお気に入りコーナーに行くと、あれれ?なんか腐臭がいつもより強烈だぞ?鼻をつくすっぱい臭いがすごいするよ?ははーん、さてはさっきまでこのへんにモンスター(冬なのに汗だく)がいたんだな、じゃあ仕方が無いか。まったく、こんな強烈な臭いを放ってるやつは、もはや犯罪ですよ。死ねばいいのに。と僕はいつもどおりに、そのコーナーで、10冊ぐらい立ち読みして「イマイチだなー」と何も買わなかったわけです。だって、タイトルに姉ってついてるのに、後半妹の話ってなんだよ。別にいらねぇよ。もっと偏っていこうぜ。
で、何も買わずに本屋から出てると、ふと、鼻を突く臭いがする。おもむろに自分の服を引っ張って鼻に近づけると、強烈にすっぱい臭いが。あれ?臭っていたのは、僕だった?さっきまで見知らぬモンスターの仕業だったはずだったのに?たしかに、なぜか暑い店でしたけど。あー、なんだよ、こんなことなら、買っておけばよかったなぁ。あと2店舗回るつもりだったのに(エロ本屋を)結界を張っているのは僕だった。モンスターは僕だったのです(>うん、知ってる)もうね、犯罪ですよね。撲殺ですよ。そこにバットもあることだし。