いつの日か

あるとき、何か僕が悪さをした。どんな内容だったのか、もう覚えていない。父親はひどく僕のことを叱った。母親は、傍らでそれを見ていた。僕は泣き虫だったので、ずっと泣いていた。

父「悪いことをしたらちゃんと謝れ!」
子「うわーん!ごめんなさい!」
父「今、なんで謝った!?」
子「謝れって言われたから。」
父「じゃあ、お父さんが出て行けって言われたら出て行くのか!死ねって言ったら死ぬのか!」

今、思うと、素直な答えだ。自分でいうのもなんだが。泣きじゃくる僕は、そのときなにを考えていたのだろう。その後どうしたんだっけ。もう思い出せない。記憶は破損してしまった。ただ、そういったことがあった。それは覚えている。