これから売るものは『サービス』である

IntelMacでWinOSを動かせるソフト(Boot Camp)のベータ版がAppleから公式に発表された。いままで、MacPCには、MacOSしか動かなかったが、これによりWinOSも動くことになる。

これまでもMacの歩み寄りはあった。iPodはWinOSに対応することにより、爆発的にシェアを拡大し、シリコンオーディオプレーヤ分野で不動の地位を得た。当時、iTunesのWin版が出たときには、まだ明確にはわからなかったが、たしかにあった違和感。それは「Appleは自分の会社の商品をどうするんだ?」だった。Win版iPodの登場で、AppleMacを知る人が増えたことは確かだが、MacOSおよびPCそのものの売れ行きは伸び悩んでいる。そして今回のWinOS搭載機能。どんどんMacOSと離れていく。自社OSをどうする気なんだろうか。

そこで、僕が考えたのは「OSなんてなんでも良いのではないか?」だった。実際、僕はMacOS9もOSXWinXPUNIXも使っていたが、今ではどれも「自分が使いたいやつを使えばいいじゃない」程度の違いしかない。おそらくこれからは、PC本体に積まれているOSが、何で動いているかなんて、関係がなくなっていくだろう。

これからは、PCに対応したアプリケーションが何であるかよりも、PCに積まれているOSが何であるかよりも、ネットワーク上にある「サービス」こそが売りになってくる。「iTunes MusicStore」であったり「.Mac」であったりするほうが、ずっと重要な区別になっていく。WinOSが搭載できるようになった理由は、今後PCの売り物は、そういう方向になってくだろうと、Appleが判断した結果だと思う。MacOSを使っていたほうが、Appleの提供する「サービス」は受けやすい。OSとは本来その程度のものである。

追記:実際WinOSをインストールした知り合いとの会話
「IntelMacにWinOSインストールした。」
「うお、すげー、マジで?動いてる?」
「動いてるよ。だから何?って感じ。」
「…そりゃそうか…ただのOSだもんね。」

参考
アップル、Intel MacWindows XPを起動できるツールを公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0406/apple.htm
Intel MacWindowsが動く「Boot Camp」レポート【インストール編】
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0406/apple2.htm