夢見る人

弟との会話で、…その、一応前置きなんですが、僕の弟はイケメンです。モテ男です。人脈があって、人付き合いがよくて、出世欲もあって、なんでなんだろう、この違いは。同じ兄弟なのに。落ち着け弟者とか言っても、反応もしません。そんな弟との会話で、弟に「彼女はいないね。作るの面倒だし。テキトーに都合のいい女、何人かほしいよね。」とかいわれました。そうですか、そうですか、それが君の目指した世界なら、それさえも許容すべきなのだろうけれど。僕は反吐を吐く一歩手前さ。これが現代っ子ですよ。そして、その相手になっている女も女で、「都合のいい男が何人かいる」んだろうなぁとぼんやり思っていた。そうですか、そうですか、それが君の目指した世界なら、それさえも許容すべきなのだろうけれど。
本当のところ、その考え方だと、相手は誰でもよくて、どうでもいいんじゃあないのか。そこに愛はあるのかい?別にない。なくてもよい、処理し合えばそれでいい。そういう関係。それが彼らの目指した幸福だ。夢見がちなのは僕らのほうか?愛する人と幸福に生きられるなんて夢から覚めなさーい。ってことなのか?彼らは目が覚めて、そんな状態なんてない、って気づいたのか?恋も愛もどうせ思い込みなのだから、処理できる相手がいればそれでいい?それが目が覚めた状態なのだろうか。そうかもしれない。そういう状態になったほうが幸福かもしれない。目を覚ませ、といつも僕が言っているけれど、眠っているのは僕かもしれない。
部屋にある「ネギま!」を見て「先入観からだろうけど、ダメだ、読めないわ、これ」といわれた。オタくさすぎたんだろう。彼はちゃんと認識している。そう先入観だろう。僕も君の世界は、残念だけれど、幸福だとは思えない。そう先入観だろう。