ガラス加工の話

k4k2012-02-24

ある観光地で観光名所を見たあと、さて何をしようか、もう帰るかー、などとガイドブックを見ていると、最寄りにガラス美術館があった。なんか寂れた観光地って、オルゴールとガラスとトリックアートはだいたいあるよね。アレナニ。設備の維持費が安いとかそういう理由なの?
お昼ごはんを食べてなかったので、とりあえずガラス美術館まで行けばなんかあるだろう、と思い、いってみた。美術館のだだっぴろい駐車場に、車がぽつぽつと停まっている。観光用のマイクロバスが入ってくると、中から老人がぞろぞろと出てきて美術館に入っていった。寂れた観光地らしい見た目だった。
中に入ると、やすっぽいいかにもインクジェットでプリントしたようなチラシが置かれている。美術館なのにこれでいいのか。と思いながらそれを見ていると、気になるものがあった。
吹きガラス体験。奥の工房で受け付けています。
行ってみると、美術館とは別館のような建物があり、吹きガラスの体験をやっていた。前からやりたかったんだよねー、吹きガラス。どんなものなのか。寂れた美術館で助かった。体験教室の混雑はなく、すんなりと予約できた。
あれ、前置きがすげぇ長い。まあいいか。
さっそくスタート。すでに吹き棒に発光しているガラスがくっつけられている。工房の人が説明している間、もう一人の助手君が炉に入れて常時温めている。炉の温度は1600度だか1800度だか。すげぇ。それでも炉そのものは溶けないのか。ガラスの付いた吹き棒をくるくる回転させながら僕の口元に持ってきて、吹きガラス開始。いきなり大きく吹くと穴が開くので、ゆっくりと徐々に力強く、という指導を受ける。吹き棒が長いから、意外と力がいる。そして暑い。冬でよかった。吹いている間も、助手君が常時回転させているので、唇が持っていかれる。しかし気にしている暇はない。ガラスは常温の空気だと、冷える速度が速すぎるので割れてしまうそうだ。ちょっと吹いたら炉に入れて温め、ちょっと吹いたら炉に入れて温め。上手な人だと一発なのかな。
とりあえず吹き終わり、穴を開けたり、口を広げたり、端を整えたり。炉から取り出されたばかりで発光している間は、溶けたチョコレートのように柔らかく、加工しやすいのに、ほんの数秒で冷えてきたら、硬さが変わっている。
結局、15分程度で加工完了。1日ほど「ゆっくり冷やす用の炉」に入れて完成。
言われればとんぼ玉作ったときも、砂みたいなのに入れて冷やしてたな…。
とんぼ玉の場合、メインになる設備がガスバーナーぐらいで済むけど、吹きガラスになるとかなりの設備が必要になってくる。個人宅の趣味でできるもんじゃあないなぁ。カルチャースクールとかだって、こんな炉入れるの大変だろうし。